身近な人が亡くなったとき、遺品整理は避けては通れない作業の一つです。
場合によっては多くの費用がかかってしまうこともあります。
そこで、本記事ではできるだけ安く遺品整理をしたいと考える方におすすめの方法をご紹介します。
目次
遺品整理を安く抑える方法
遺品整理を安く抑える方法は、大きく分けて3つあります。
自分で遺品整理をする
遺品整理とは、故人が残した遺品を自分で整理し、必要なものを残して不要なものを処分するということです。自分で故人が残した遺品を整理することで、故人をしのびながら、新たなスタートを切ることができます。
自分で遺品整理を行う場合、以下のような手順を踏むことが一般的です。
手順
1.整理する部屋を決める
まずは、整理する部屋を決めます。
一度に全ての部屋を片付けようとすると負担が大きくなるので、まずは一部屋から始めることをおすすめします。
2.遺品を種類別に分ける
次に、部屋の中にある品物を仕分けます。
必要なもの、不必要なもの、処分できるもの、売却できるものなど、種類別に分けることが大切です。
3.処分する品物をリストアップする
不必要な品物を処分するために、処分する品物をリストアップします。
このリストを元に、リサイクルショップやネットオークションサイトなどを利用して、処分することができます。
4.処分場所の確認
重たい家具や粗大ごみなどは市区町村の指定する処分場所に持ち込む必要があるため、処分場所を事前に確認する必要があります。
自分で遺品整理を行う場合、時間と手間がかかりますが、自分で整理することで、故人への思いを込めた丁寧な整理ができます。
また、故人が残した品々を手に取りながら、故人との思い出を振り返ることもできます。
ただし、身体的な負担が大きい場合や、時間的に余裕がない場合は、専門の業者に依頼することも検討する必要があります。
家具・家電はリサイクルショップを利用する
家具や家電製品は、リサイクルショップに持っていくことができます。
リサイクルショップでは、中古の家具や家電製品を販売するために、買取や引き取りサービスを行っています。
家具や家電製品をリサイクルショップに持っていく場合、まずは買取価格を調べることが大切です。買取価格は、製品の状態やブランド、需要の有無などによって異なるため、複数のリサイクルショップで比較することがおすすめです。
また、リサイクルショップによっては、家具や家電製品を無料で引き取るサービスを行っている場合もあります。
ただし、大型の家具や家電製品は、引き取りに費用がかかる場合もあるため、事前に確認することが重要です。家具や家電製品をリサイクルショップに持っていくことで、環境に優しく、まだまだ使える製品を誰かに活用してもらえる可能性が高まります。
ただし、リサイクルショップに持っていく前に、必ず製品のクリーニングや消毒を行い、状態を良くしておくことが大切です。
遺品の回収・買取ができる業者を利用する
自分で遺品整理を行うこともできますが、時間や労力がかかる上に、遺品の整理や処分方法に不慣れなため、思わぬトラブルに遭遇する可能性があります。
業者を利用することでそれらのデメリットを避けることができます。
遺品整理をするには、不用品回収業者と遺品整理業者の2種類があります。
遺品整理と不用品回収の違い
2つの業者はいずれも不要な物の処分を行うことが共通していますが、違いもあります。
遺品整理業者
遺品整理業者は、遺品整理や不用品回収などのサービスを提供する専門業者です。
家屋やアパート、マンションなどの遺品整理や、不用品回収、ゴミ屋敷の片付けなどを行っています。料金は作業内容や処分するものによって異なります。
遺品整理業者は故人が所有していた遺品を整理し、必要なものと不要なものを分別して、適切に処分することを専門に行う業者です。遺品整理業者は故人や遺族の気持ちを尊重し、遺品を適切に取り扱い、思い出の品や大切な品物を大切に扱うことが求められます。
また、遺品整理業者は、不用品回収業者と異なり、故人の生前の思い出や家族の想い出を考慮し、慎重に遺品を整理していくことが求められます。
不用品回収業者
不用品回収業者は、不要な家具や家電製品、不用品などを回収し、処分する業者です。
回収対象品目や回収場所、処分方法などによって料金が異なります。
また、リサイクル品として再利用できるものは、買取りや寄付といった選択肢もあります。
不用品回収業者は家庭やオフィスなどで不要になった家具や家電製品、または不用品や廃棄物などを回収して処分することが主な業務です。
特に遺品に関する専門性はありません。
回収後には、廃棄物の分別や適切な処理を行い、環境に配慮した処分を心がけています。
また、リサイクル可能な品物についてはリサイクル業者に引き取ってもらったり、中古品として再販売することで、社会貢献をしているところもあります。
遺品整理業者のメリット・デメリット
遺品整理業者のメリットとデメリットについてまとめたものが以下になります。
メリット
遺品整理業者のメリットについて解説していきます。
1.経験と知識が豊富である
遺品整理業者は、遺品整理に関する知識や経験が豊富な専門家です。
そのため、遺族が行き詰まってしまった場合や、時間がない場合でも、スムーズかつ迅速な遺品整理を行うことができます。
2.ストレスを軽減する
遺品整理は、遺族にとって非常に負担が大きい作業の一つです。
しかし、遺品整理業者が行うことで、遺族は精神的な負担を軽減することができます。
3.適切な処分方法を提供する
遺品整理業者は、適切な処分方法について知っているため、廃棄物やリサイクル品の適切な処理方法を提供することができます。これにより、環境に対する配慮を行うことができます。
4.迅速な作業ができる
遺品整理業者は、遺族に代わって遺品整理を行うことができるため、短時間で作業を完了することができます。
これにより、遺族の負担を軽減し、遺品整理後の生活を早期に再開することができます。
5.遺品の価値を見落とさない
遺品整理業者は、遺品の価値を見落とすことなく、適切な方法で処分することができます。また、遺品の中には高価なものがある場合がありますが、遺品整理業者が適切な評価を行うことで、高価な遺品を見落とすことがありません。
デメリット
遺品整理業者のデメリットについて解説していきます。
1.費用がかかる
遺品整理業者に依頼する場合、費用がかかることがあります。
業者によって料金設定が異なりますが、大量の物品を整理する場合や特殊な処理が必要な場合は、追加料金が発生することがあります。
2.個人情報の漏洩の危険性
遺品整理業者には、故人の個人情報が含まれる書類や物品がある場合があります。
業者が適切な管理を怠った場合、個人情報が漏洩する可能性があります。
3.信頼できる業者選びの難しさ
遺品整理業者は多数存在し、その中から信頼できる業者を選ぶことは困難な場合があります。
不適切な業者を選んでしまうと、費用のムダや品物の損失、作業の遅れなどが生じる可能性があります。
4.故人の思い出の品が捨てられる可能性がある
業者に依頼する場合、思い出の品を勝手に捨てられてしまう可能性があります。
業者選びや作業前の確認が不十分だと、思い出の品が捨てられてしまうこともあるため、注意が必要です。
遺品整理業者がおすすめな人
- 遠方に住んでいるため、現地での遺品整理が難しい場合
- 故人との思い出や感情的なつながりが強く、自分で整理するのがつらい場合
- 故人が膨大な量の持ち物を残している場合
- 故人が個人情報を含む書類や品物を多数残している場合
- 故人の家に収納スペースが限られており、遺品を一時的に保管する場所がない場合
遺品整理業者はプロの技術や知識を持ち、効率的かつ迅速に遺品整理を行うことができます。また、個人情報の処理や適切なリサイクル方法についても知識を持っているため、安心して任せることができます。
不用品回収業者のメリット・デメリット
不用品回収業者のメリットとデメリットについてまとめたものが以下になります。
メリット
不用品回収業者のメリットについて解説していきます。
1.コスト面で安い
不用品回収業者は、大量の不用品を一括で回収することで効率的に処理できるため、遺品整理業者に比べて費用が抑えられる場合があります。
2.細かなものでも回収可能
遺品整理業者では処分が難しい細かなもの、回収量が少ないものでも、不用品回収業者は回収してくれる場合があります。
3.環境に優しい処理が可能
不用品回収業者の多くは、回収した不用品を適切に分別し、リサイクルや再利用を行うことで環境に貢献しています。
デメリット
不用品回収業者のデメリットについて解説していきます。
1.遺品整理以外の不用品も回収するため、費用がかかる
不用品回収業者は、遺品整理以外にも不要な家具や家電製品などの回収も行っています。
そのため、遺品整理に必要な費用のみでなく、不用品の回収にかかる費用も必要になる場合があります。
2.業者によっては、遺品整理に関する専門知識が不足している
不用品回収業者は、主に不用品回収に特化した業者であり、遺品整理に関する専門的な知識や経験が必ずしもあるとは限りません。そのため、遺品の処理について不適切な方法をとってしまう場合があります。
3.遺品の処分方法によっては、法的な問題が生じる
遺品の処分方法には、法律で定められた方法があります。
しかし、不用品回収業者がその法律を守っているかどうかは確認しなければなりません。
万が一、不適切な方法で処分された場合、法的な問題が生じる可能性があります。
不用品回収業者がおすすめな人
- 故人の生前から断捨離を心がけており、遺品が少ない場合
- 故人が自宅に住み続けていた場合に家財道具や家電製品が古く、価値がないと判断される場合
- 故人の遺品を完全に整理する必要がない場合
- 自分で運搬や処分が困難な大きな家具や家電が多数ある場合
- 限られた時間内に遺品整理を完了したい場合
遺品整理と不用品回収で共通していること
同一の業者が行っていることが多い
遺品整理業者と不用品回収業者は同一の業者が行っていることが多いです。遺品整理業者は故人の持ち物の整理や処分を行うことが主な業務であり、不用品回収業者は家庭の不用品の回収を主な業務としていますが、両方の業務を行う業者も多く存在します。
そのため、遺品整理や不用品回収を依頼する際には、業者のホームページや資料などを確認し、どのような業務を行っているかを確認することが大切です。
悪徳業者が存在する
遺品整理業者や不用品回収業者には、中には悪徳業者も存在します。
悪徳業者は、事前の見積もりをせずに高額な請求をしたり、不要な作業を行って追加費用を請求したりするなど、トラブルが発生することがあります。
そのため、業者を選ぶ際には、信頼できる業者を選ぶことが重要です。
遺品整理業者や不用品回収業者を選ぶ際には、事前に口コミや評価を調べたり、業者の公式サイトや資料を確認することがおすすめです。
遺品整理をする上での注意点
遺品整理は自分に合った業者を選ぶことが非常に重要です。
業者に頼む場合でも、自分でできることはあらかじめ終わらせておくほうが良い場合があります。
例えば、以下のようなことが挙げられます。
故人の遺品の整理や仕分けを家族で行う
遺品整理業者に依頼する前に、家族で故人の遺品を整理し、不要なものを仕分けておくことができます。これにより、業者に頼む作業量が減り、費用も抑えることができます。
証明書類の準備を自分で行う
遺品整理業者に依頼する場合、遺産分割協議書や相続税申告書などの証明書類が必要になる場合があります。
これらの書類は自分で準備しておくことができます。
これにより、業者に依頼する時間や費用を削減することができます。
悪徳業者に注意する
先述した通り、悪徳業者が多くいる業界なのでこれらに注意することは非常に重要です。見積もりを取ったり口コミをよく見たりして、料金や作業内容について確認し、トラブルを回避しましょう。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
遺品整理は、故人を偲びつつ、思い出の品々を整理して片づける大切な作業です。
しかし、業者に頼むとなると費用がかかってしまいます。
自分でできることは行い、余裕があるときに業者に依頼するなど、自分に合った方法を見つけて、無理のない遺品整理を行いましょう。