女の子が誕生した、初正月に贈られる羽子板。ご誕生された女の子の無病息災を願い、ご両親や親戚からいただくことが多いと思います。そんな羽子板もそろそろ処分したいな…と思ったことありませんか?しかし、いただいたものだし、縁起物だし、何だか処分しにくいですよね。そもそもいつまで飾っておけばいいの?なんて思うこともあるでしょう。
この記事では羽子板の処分の方法を紹介します。
目次
羽子板の意味って?
羽子板にはどのような意味があるかご存じですか?羽子板は女の子が誕生した初正月に贈られます。赤ちゃんの「無病息災」と「魔除け」を願い、羽子板を飾ってお祝いするのです。ちなみに男の子の初正月には「破魔弓」が贈られ、これは羽子板と同じ意味を持ちます。
今では生まれた日に年を重ねる満年齢が通常ですが、昭和24年ごろまでは数え年が通常に用いられていて、元旦が誕生日でした。つまり、赤ちゃんの初正月は初めての誕生日だったのです。初正月は一年間無事に成長したことをお祝いする日でした。
では、なぜ羽子板を贈るのでしょうか。羽子板は江戸時代からお正月に行われている、女の子の遊びとして親しまれてきました。その遊びの中で、羽子板でつく羽根がついた黒い球が飛び交う様子が「トンボ」に似ており、トンボは蚊などの害虫を食べることから羽子板で「邪気をはね(羽根)のける」という魔除けの意味を持ちました。また、羽根がついた黒い球は無患子(むくろじ)と言います。「子どもが患わない」ようにという意味が込められ、これは「無病息災」を意味しています。
さらに詳しく
女の子が生まれた初正月に羽子板を贈るのは「無病息災」と「魔除け」の意味があります。
羽子板を処分したい!
さて、ここからが皆さん気になるところでしょう。羽子板は「無病息災」と「魔除け」の意味を持つ縁起物です。処分しにくい気持ちもありますが、置くスペースがないなどで処分を考えることもありますよね。処分するタイミングとしては、子どもが成人した、結婚したという区切りが良いかもしれませんね。○歳までは飾るべきといった決まりは特にないため、それぞれのご家庭の判断で良いと思います。飾る場所がないというのも立派な理由です。
ここで、羽子板の処分方法を紹介します。それぞれにメリットとデメリットがあるので、後悔しない方法を選んでください。
神社で供養してもらう
この方法が一番心残りなく処分できる方法かと思います。羽子板を近くの神社や寺社に持参し、供養してもらいましょう。特に「小正月(1月15日)」は供養に一番良い日と言われています。供養の方法は神社や寺社によってさまざまなので、持っていく前に問い合わせてみるといいですよ。供養できるもの(お守り、人形など)が限られていたり費用がかかったりといろいろな形があるようです。
メリット・デメリット
【メリット】
・感謝の気持ちを形にできる
【デメリット】
・神社や寺社に持ち込まなければならない
・費用がかかる
自分で供養をする
神社で供養してもらうのはちょっと面倒なんてときは自分で供養するのもいいでしょう。塩やお酒で清めてから感謝をし、白い布に包んで処分します。本来、お清めの方法は宗教によってさまざまですが、完璧にしなくても気持ちの整理はつけられると思います。簡単にご自宅でできるので、そのままでは処分しにくいと思う場合にはぴったりな処分方法です。
メリット・デメリット
【メリット】
・感謝の気持ちを形にできる
・神社に行く手間を省ける
【デメリット】
・神社で供養するよりは処分することに抵抗が残る
寄付をする
「羽子板 寄付」で検索してみると受け入れている団体がいくつか見つかります。教育機関などで必要としていることがあります。しかし、団体の中にはただ転売をするという場合もありますので、団体のホームページをしっかりと確認するようにしてください。また、送料などの手数料はこちらで負担することがほとんどです。
イベントために自治体で寄付の受付をしている場合もあります。そのような地域はあまり多くないかもしれませんが、自治体なら安心して寄付することができますね。
メリット・デメリット
【メリット】
・処分することなく第三者に渡すことができる
【デメリット】
・発送の手間がかかる
・送料を負担することになる
・寄付をする団体の見極めが必要
リサイクルショップに出す
羽子板をリサイクルショップで売るという方法です。特に手間がかかることはありません。寄付をするときには自分で発送したり送料が発生したりすることがありますが、近所にリサイクルショップがあれば直接持ち込みをすることができます。どうしても捨てにくいという場合にはいいかもしれません。さらにリサイクルショップに出す前に供養のみすましておくこともできます。
リサイクルショップによっては羽子板などの縁起物を取り扱っていない場合もあるため、先に問い合わせておくといいですよ。
メリット・デメリット
【メリット】
・処分することなく第三者に渡すことができる
・直接持ち込みができる
【デメリット】
・羽子板を受付していない場合がある
・買取金額はあまり期待できない
ごみとして処分する
少し抵抗があるかもしれませんが、一番手っ取り早い方法です。自治体の指示に従い、ごみとして処分します。大きさによっては粗大ごみに分類されることもあるので注意しましょう。
また、羽子板以外にも処分したいものがたくさんあるときには不用品回収業者や廃品回収業者を利用することもできます。業者によって費用がさまざまなので、一度問い合わせて見積もりをもらってください。業者を適当に選んでしまうと多額の料金を請求されるなどのトラブルに巻き込まれることがあります。依頼する前にホームページや口コミを必ずチェックしてください。
ごみとして処分する場合もしっかりと感謝の気持ちを込めましょう。
メリット・デメリット
【メリット】
・ほとんど手間がない(粗大ごみの場合は捨て方が異なります。)
【デメリット】
・縁起物のため抵抗がある
処分するときの注意点
羽子板を処分するときに注意したいことをいくつか紹介します。
ガラスケースの有無について
ガラスケース付きの羽子板は神社や寺社によっては供養を受け付けてくれないことがあります。ガラスケースから出すか、受け付けてくれる神社を探しましょう。
ごみとして処分するとき、ガラスケースが30センチメートル以上あると自治体によっては、粗大ごみに分類されることがあります。粗大ごみの処分は事前申し込みが必要なので注意しましょう。詳しい処分方法は各自治体のホームページでご確認ください。
なるべくきれいな状態を保つ
羽子板を長年飾っていると日焼けや錆などどうしても痛みが出てきてしまいます。寄付をしたりリサイクルショップに出したりする場合には落とせる汚れは落としておきましょう。特にガラスケースの埃や指紋などは簡単に落とすことができますよね。感謝を込めるだけでなく次の人に気持ちよく使ってもらえるようにするのも大事だと思います。
日焼けを防ぐために初めから直射日光にあたらない場所に飾るといいですね。この記事を読んでいるかたにはもう遅いかもしれませんが…。
売るのであればお正月前に
リサイクルショップに出す場合には、お正月前にしましょう。前述した通り、羽子板はお正月に贈られる縁起物です。お正月後に出しても需要はありません。リサイクルショップにかかわらず売りに出す場合は時期を意識しましょう。
まとめ
この記事では羽子板の処分方法を紹介しました。処分の方法はいくつもありますが、一番大切なのは感謝の気持ちを忘れないことです。赤ちゃんが無事に大きくなったよと感謝を込めて見送ってあげてください。そうすれば気持ちよく処分できると思います。そして、いつか羽子板を贈る側になったときには、羽子板の意味をもう一度思い出してくださいね。