- 「不要になった農機具の処分は粗大ゴミとして捨てられるの?」
- 「農機具の有効な処分方法を知りたい」
農業を営んでいる方に欠かせない農機具。新しいモデルへの買い替え時や、器具の故障時、農業の引退のタイミングなどで処分の仕方に悩まれている方も多くいらっしゃるかと存じます。
トラクターや、コンバインといった大型のものも多くあるため、自力ではどうすることもできず、倉庫に眠ったまま放置状態なんて方もいるのではないでしょうか。
本記事では、農機具の具体的な処分方法と有効な処分方法について解説します。
この記事を読み、自身に適した方法で不要な農機具を処分しましょう。
目次
農機具・農業器具とは?
農機具の処分方法をご案内する前に、農機具・農業器具について一度、整理しておきましょう。農機具とは、エンジンやモーターを原動力として農作業をする道具のことを指します。具体的には、トラクター、コンバイン、田植機、草刈機などが含まれます。
一方、農業器具とは人や家畜の力で農業作業を行う際に、使用する道具のことをいいます。具体的には、鎌や鍬一輪車などです。
またこの中には、牛や馬の力を利用して農作業をする馬鍬なども含まれます。
農機具は粗大ゴミで出すことは可能?
農機具は、大型で重量もあることから、粗大ゴミで処分ができるのではないかと思う方もいらっしゃるでしょう。結論からいいますと、農機具は粗大ゴミで捨てることはできません。
理由は、農機具にはエンジンやバッテリーが組み込まれているため、専門の知識を持った方でないと分解ができない適正処理困難物だからです。
加えて、農業は事業活動にあたります。
事業活動で出たごみは「産業廃棄物」として処理しなくてはなりません。産業廃棄物は、「産業廃棄物収集運搬業」の資格を持っている業者に適切に回収してもらう必要があります。
農機具の処分方法はこれ!
農機具は大型で重量のあるものも多く、処分するにもさまざまな規制がありとても大変です。では、農機具を処分するには、どのような方法があるのでしょうか。
農機具の処分方法は主に以下の6つの方法があります。
- 農機具の買取業者に売却する
- 農協に売却する
- 新品購入時に下取りに出して処分する
- スクラップ業者に依頼して処分する
- メルカリやオークションで売って処分する
- 不用品回収業者に依頼して処分する
それぞれの特徴をしっかりと押さえて、自分に最適な処分方法を探してみましょう。
農機具の買取業者に売却する
状態が良好な農機具であれば、農機具専門で買取をしている業者に売却するのがおすすめです。専門の業者が査定してくれるため、適切な金額で買い取ってもらえます。
また、状態の悪い農機具も引き取ってもらえるため、農機具をまとめて処分する場合にも有効です。ただし、出張料や査定料がかかる買取業者もあるので、あらかじめ確認しておくことを推奨します。
農協に売却する
買取業者で売れなかった場合、JA(農業協同組合)に農機具を売却して処分することも可能です。普段から関わりのある農協の方が、査定・買取をしてくれるので、安心して任せることができます。また、直接出向いてくれるため、自力で持ち込む手間がかかりません。
ただし、デメリットとして販売ルートが限られているため、買取金額が低くなりやすい傾向があります。少しでも高値で売りたい方には不向きですが、こだわりがない方には有効な方法です。
新品購入時に下取りに出して処分する
新たに農機具を買い替える場合、古い農機具を販売店に下取りに出すことができます。購入代金から割引されるので、購入費用を抑えると同時に、処分もできるためおすすめです。
デメリットは、販売ルートが限られているため下取り価格が低くなる傾向にあることです。また、新たに農機具を購入することが前提であるため、購入予定のない方は別の方法を検討する必要があります。
スクラップ業者に依頼して処分する
故障したり、使用できない農機具を処分する場合はスクラップ業者に依頼する方法がおすすめです。
農機具には、貴重な鉄や金属などが多く使用されています。解体することで、再利用が可能な資源になるので、業者に買い取ってもらうことが可能です。
ただし、業者に直接持ち込みが必要なので、手間がかかる点や、処分に費用がかかる点を認識した上で利用しましょう。
メルカリやオークションで売って処分する
大型のコンバインや田植え機なども含め農機具は、メルカリやオークションで売却ができます。基本的に現地での受け渡しでの方法になるため、購入者を見つけるまでにかなり苦労しますが、時間に余裕があり高値で売りたい方には、有効な方法です。
処分までに時間や手間がかかる分、時間に余裕のない方にはおすすめできませんが、処分する一つの手段として特徴を押さえておくと良いでしょう。
不用品回収業者に依頼して処分する
処分をお急ぎの方や、大量の農機具、その他にもまとめて引き取ってもらいたいものがある方には、不用品回収業者への依頼がおすすめです。
処分する農機具の運び出しが困難な場合でも、業者が直接出向いて、不要なものを一括して引き取ってもらえます。それにより、手間も時間もかけずに効率よく処分が可能です。処分にかかる費用は業者によって異なるため、複数の業者で査定してもらうと費用を抑えやすくなります。
注意点は、農機具の処分は「産業廃棄物運搬業」の資格を持っている業者に依頼する必要がある点です。依頼する業者が回収に必要な許可を所持しているかは必ず確認をとりましょう。
悪質な業者に引っかからないためのポイント
電話やネットからの予約一本で、不要なものを簡単に捨てられる不用品回収業者ですが、中には悪質な業者が存在するので注意が必要です。
トラックに積み終えた後に高額な費用を請求したり、回収されたものが不法投棄され依頼主に責任追求されたりなどトラブルも多く報告されています。悪質な業者に引っかからないためにも、以下で紹介する3つポイントを押さえておくと、トラブルの回避ができるでしょう。
- 回収に必要な一般廃棄物処理業の許可、古物商の許可を持っているか確認する
- 業者の身元確認できる情報やホームページの有無を確認する
- 追加料金やオプションが明確か確認する
また、一つの業者の説明や見積もりだけでは、悪質かどうかの判断が難しいかもしれません。あらかじめ、複数の業者で見積もりをもらったり、説明を聞いておくと判断しやすくなります。
まとめ
エンジンやバッテリーが組み込まれている農機具は「適正処理困難物」に当たるため、粗大ゴミでの回収ができません。
また、事業で利用された農機具をごみとして処分する場合は「産業廃棄物」に該当するため、「産業廃棄物収集運搬業」の資格を所持している業者に依頼する必要があります。依頼する業者が農機具の回収に対応しているかどうか、確認をとるようにしましょう。
大型で重量もある農機具は、自力での処分は苦労しますが、不用品回収業者を利用することで時間や手間をかけずに安心して処分が任せられます。
ただし、悪質な業者には引っかからないように注意が必要です。
トラブルに巻き込まれないためにも、回収に必要な許可や、業者の身元、料金やサービス内容の確認は必ずとりましょう。今まで処分に踏み切れなかった方も、この記事を読んで有効な処分方法を見つけられたら幸いです。